<No.11>「練習しなさい!」が「ありがとう」に変わる瞬間
こんにちは!代表の鈴木敬です。
「反抗して、全然ピアノを弾かなくなり、レッスンを休むように・・・。このままでは、ピアノを辞めてしまいそうで、心配です」
と、昨日書いた「APMオンラインスクール」の学生さん、A先生から聞きました。
なるほど、これは心配ですよね。
A先生の生徒さん、B君(小2男の子)のお話です。
お母さんに聞くと、家でも、まったく練習しない。
お母さんは、練習しないA君を、最初は見守っていましたが、
「これじゃ習っててもお月謝がもったいないから、辞めちゃいなさい!」
と、ついにブチ切れました。でもB君は「やだ!」。
この状態がずーっと続いています。
A先生でさえ、B君があまりに練習しないので、内心、
(こんなことなら、いっそのこと辞めればいいのにな・・・)
と、正直、思ったそうです。
●事態が一変
ある日、お母さんから、泣きながら電話が来たのです。
「今日、私の誕生日だったんですね。そしたらB がハッピー・バースデーを弾いてくれたんです。しかも、両手で!
もう感激しちゃって・・・」
その瞬間、ナゾが解けました!
○B君がレッスンの課題曲を練習しなかったのは、「ハッピー・バースデー」を練習するためだった。
○B君が、両手で「ハッピー・バースデー」を弾くまでには、かなりの時間がかかった。
○その間、お母さんに隠れて「コソ練」していた。
このことから、A先生とお母さんは学んだそうです。
「そうだ、背景を知ろう!」
●背景は、心を変える
人の行動には、必ず、その行動を引き起こした「背景」があります。
行動に対してどうこう言うより、まず、背景を知ることが大切なのです。
ここに2枚の絵があるとします。
真ん中には、同じ男の子が描かれています。
ところが、背景はぜんぜん違います。
一方はお花畑。もう一方は暗黒の海。
どちらの男の子が、幸せそうでしょうか?
背景は、そこにいる人の心を、変えるのです。
その日から、A先生は生徒さんと「対話」を始めました。
「最近、どう?」
「学校、楽しい?」
すると、生徒さんは、喜んで話してくれます。
背景に目を向けていくと、こどもの表情はみるみる変わっていきます。
背景は、ストーリー。人はみな「自分のストーリー」に関心を持ってほしいのです。
生徒さんは、ここまで大きくなった。その間には、大変なこと、辛かったこともたくさんあっただろうな。
そのようなストーリーに思いを馳せてみると、
「もっと練習しなさい!」
が
「弾いてくれて、ありがとう」
に変わると思います。